背中に生じる痛みは、筋肉や関節、骨の問題によるものの他に、内臓疾患から来るものや、腫瘍、癌、などが原因のものまで広範囲に渡ります。
又、痛みの出る場所や痛み方は原因によって様々で、その特定が容易でない場合もあります。
大まかな判断方法として、怪我以外の場合で、安静にしていると痛みが和らいだり、特定の姿勢や動作で痛み方が変化する場合は、筋肉や関節の問題である場合が多いです。
又、温めて楽になるのであれば、筋肉の疲労が原因の可能性が高いです。
反対に、どんな姿勢を取っても痛みが変わらず、安静にしていても辛い場合は、内臓等の病気が原因の可能性がありますので、一度、病院(内科)を受診することをお勧めします。
背中の痛みが内臓に起因する場合、炎症、癌、等、疾患によって、あるいは個人差によって痛む部位は若干異なりますが、おおよそ下図の様な分布になります。
心臓のエリアは、狭心症と心筋梗塞の際によく痛む範囲、 胃は胃炎、胃潰瘍、胃がん、膵臓は膵炎と膵臓がん、肝臓は肝炎、肝臓がん、胆嚢は胆石、胆嚢炎、胆嚢がん、胆管がんの範囲を表しています。
それぞれの範囲全体が痛むという訳ではなく、その範囲内に痛む場所がよく表れる、ということです。
筋肉や関節が関与する背中の痛みの場合、最も多く痛みが発生する場所は、肩甲骨周辺(下図の黄色エリア)、そしてウエストのくびれから下にかけて(青色エリア)のふたつの範囲です。
肩甲骨周辺、特に、僧帽筋という十字型の筋肉のあるエリアの痛みは、
・悪い姿勢
・長時間のデスクワーク
・ストレスや緊張による脳の疲労
が主な原因です。
ウエストのくびれより下は、慢性的な疲労による鈍い痛みと、ぎっくり腰などによる鋭い痛みが主です。
背中の痛みが起こる筋骨格系の原因は血行不良です。
過剰な運動によって筋肉を酷使し続ければ、柔軟性が徐々に落ちて来て硬くなり、血管が締め付けられるので、血行が悪くなります。
反対に、同じ姿勢を長時間続けていても、姿勢維持に使われる筋肉が疲労して血行が悪くなります。
又、関節を動かす筋肉のバランスが悪い場合(一方が過度に緊張している、あるいは弛緩している)は、関節に負荷がかかり、動かし続けると違和感を感じ、やがて痛みが発生します。
血行不良によって十分な酸素が得られない状態で筋肉を使い続けると、ダルさ、重さ、違和感、等を感じ始め、次第に痛みに変わります。
まずは、痛みを感じている筋肉を緩めて血流を回復させます。
緩め方は、痛みの出ない楽な姿勢を取ってもらい、そこからじんわり緩めるやり方や、筋肉を揺すりながら緩めていくやり方で、どちらも即効性が高く、急性の場合は早ければその場で、遅くとも翌日中には痛みが消失することが多いです。
次に、疲労を起こした原因(関節周辺の筋バランスの悪さや、骨格の歪み、姿勢の悪さ、等)を探し、それを修正することで、再発を防ぎます。
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