筋肉は骨に繋がっていて、その収縮によって関節が動きます。この骨に繋がる部分が腱で、筋肉と違って伸び縮みしません。
又、指を動かす筋肉は、その位置を固定する目的で、腱鞘というトンネルの中を通ります。
腱鞘炎を発症すると、以下の様な症状が表れることがあります:
腱鞘はリンパ液の潤滑によって、中を通る腱との摩擦を無くしているため、普段は指を動かしても痛みも何も感じません。
しかし、ストレスなどでリンパ液が少なくなった場合や、疲労によって筋肉が過度に緊張して、腱の張りが強くなると、腱鞘との摩擦が強くなり、当たる部分が炎症を起こします。これが腱鞘炎です。
腱鞘炎は女性ホルモンの影響も受けます。女性ホルモンのひとつであるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、妊娠・出産を助ける役目をしますが、出産後は緩んだ骨盤や関節を本来の位置に戻し、腱鞘を収縮させる作用があるため、腱の通る道がきつくなり、炎症を起こしやすくなります。
また、閉経後はエストロゲンという別の女性ホルモンが減少します。このホルモンは、組織に潤いや弾力を与える作用があり、減少すると腱鞘の柔軟性が失われるため、擦れると炎症を起こしやすくなります。
整形外科では、この炎症を抑えるために消炎剤やステロイドを注射します。症状がひどい場合は、手術で腱鞘を切り開き、腱がこすれない様にします。
まずは炎症を起こしている腱の筋肉を痛みのない方法で緩めます。これによって腱鞘との摩擦が減り、痛みが緩和されます。
次に、この筋肉と連動して動く、他の筋肉も必要に応じて緩め、再発しにくい状態にします。
更に、腱鞘の柔軟性を向上させ、リンパ液の流れを改善し、女性ホルモンが関連している場合は、女性ホルモンの調整を行います。
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